コラム

【人に嫌われるのが怖い】の奥に隠された、あなたを救うための”あるサイン”

普段人付き合いをしていて、『嫌われるのがコワイ…」と感じること、ありますか?

・「こんなことを言ったら嫌われるんじゃないか」といつも内心ヒヤヒヤする。

・気を使いすぎたり、相手の反応を気にしすぎて深読みばかりしてしまう。

・何気なく言ったことを後から思い出して「あんなこと言ったけど大丈夫だったかな?」不安になっては、グルグルネガティブに考え込んでしまう。

・嫌われないように頑張っていつも自分を演じてしまう。

こんなふうに感じたり、気を使いすぎてしまう人ほど【人に嫌われるのが怖い】と感じがちかもしれません。

でも実は、【人に嫌われるのが怖い】と感じることの裏側にはもっと別のサインが隠されているんです。

一体それは何か?

このコラムでは、【人に嫌われるのが怖い】の奥に隠れる、あなたを救うためのあるサインについてお伝えしていきたいと思います。

【人に嫌われるのが怖い】と常に感じていた私の体験談

小学校高学年の頃に、クラスの女子から集団で悪口・陰口を言われたり仲間はずれにされたりいじめのような状況を経験しました。

そのトラウマから、女子の集団・性格のキツそうなタイプの女性が苦手で怖く感じるようになりました。

短大を卒業後に働き出した職場は、女性社員の人数が部内の3分の2を占めるような部署で、怖そうなお局さんたちもチラホラ。

まさに私の「苦手!怖い!」がピンポイントで可視化されたような職場環境。。

その環境で働くだけでも昔のいじめの記憶が思い出されるには十分で、【嫌われるのが怖い】という気持ちをいつもどこかでうっすらと感じていました。

そして、それを駄目押しするような出来事がありました。

女性社員間でいじめが公然と行われてる場面を目撃したのです。

うっすらとだけ思い出されていた昔のいじめの記憶が、女性社員間のいじめを見た事によっていつもリアルに思い出され、『嫌われると自分もまた同じ目にあうじゃないか…』という嫌われる怖さを助長し、いつもヒヤヒヤしながら働いていました。

どんなときに【人に嫌われるのが怖い】と感じるか?

私自身は過去のトラウマから、性格のキツそうなタイプの女性や女子の集団・いじめが行われているなどの状況に遭遇すると、反応的に【人に嫌われるのが怖い】という気持ちが出てきやすかったです。

なぜかというと、『また同じようなツラい目に合うかもしれない…』と感じてしまうような条件がそろってしまうからです。

同じようなツラい目というのは、

  • 仲間はずれ
  • 悪口・陰口を言われる
  • 無視をされる
  • あからさまな意地悪 など

自分が傷つくような心理的にツラい状況に追いやられることでした。

あなたは、どんなときに【人に嫌われるのが怖い】と感じますか?

実は、人に嫌われること自体を恐れているのではない。

先ほども少し書きましたが、私自身、実は人に嫌われること自体を怖いと感じていたのではなく

人に嫌われた結果、起きるかもしれないイヤな状況自分が傷つくような心理的にツラい状況に追いやられること

を怖いと感じていたのでした。

この自分が傷つくような心理的にツラい状況というのは、大まかにわけて3種類あるのではないかと自分自身の経験から推測しました。

その私が感じた3種類の状況についてご紹介します。

①自尊心を傷つけられること

自尊心とは、「自分を大切に思えたり、自分には何らかの価値がある」と思える気持ちです。セルフ・エスティームとも呼ばれています。

この自尊心ですが、「自分自身をどのように評価するか?」という感じで、その時々の自分の心の状態によって低かったり高かったり感情のように揺らぎがあるのが通常です。

自尊心は基本的に、幼少期から成人するまでの家庭・学校環境の人間関係をベースに作られます。

「自分が自分を大切に思う気持ちや、自分には何らかの価値があると思える気持ち」というのは、人生のあらゆる場面で大きな影響を与えてくるものでもあります。

それを、たとえばイジメのような形で理不尽に傷つけられたり奪われたりするというのは、これからの人生の希望を失うぐらいつらいことなのです。

②居場所を奪われること

居場所とは、心理学的に「心の拠り所となる関係性や安心感のある環境に居られる」という安定した気持ちのことを指します。

例えば、

  • 自分らしく居られる
  • 自分は受け入れられていると思える
  • 自分は役に立っていると思える

そんな感覚や気持ちを当たり前のように自然に感じられる安定した心の状態です。

何らかの出来事によってこうした安定した心の状態が失われたり奪われたりことは、「自分は周囲には受け入れてもらえない存在なのだ」と孤独感や疎外感を自分の中に抱え込んでしまう要因になります。

そして最悪の場合、「自分は必要とされない、価値のない人間だ」と思い込むようになって人生が非常に生きづらいものとなってしまいます。

③自分の存在自体を否定されること

存在否定とは、自分の存在そのものを否定されるようなこと言われたり、態度を取られたりすることです。

わかりやすいところで言うと、親が子供に対して、

「あんたなんか産まなければよかった!」
「お前なんかいなくなればいい!!」

と言うことは存在否定になります

存在否定は親からだけではなく、学校や職場などでも起こることがあります。

たとえば

  • 学校の同級生から理由もわからず無視をされた
  • いじめを相談しても担任や親がまともに取り合ってくれない など

このような態度を取られることは、本人にとっては自分の存在を丸ごと否定されているように感じてしまいます。

そして、「自分は存在していてはいけない。」というように、無意識の部分で強くそう感じてしまうようになるのです。

3つの状況を恐れる根本理由は?

先ほどあげた3つの状況は、人が人として生きていくためにはとても重要な心の根源を支える部分です。

  • 自尊心を傷つけられること
  • 居場所を奪われること
  • 存在否定をされること

このような状況を体験するというのは、「自分は生きていてはいけないのではないか?」という自己否定感を心の深い部分で生み出す原因になります。

この「自分は生きていてはいけないのではないか?」という自己否定感を感じるということは、心理的には「生きること自体を脅かされている」というふうに感じるのです。

それがこの3つの状況を恐れる根本理由です。

自分の身を守ろうとする心の反応 自己防衛本能

人にはそもそも自分の命を守ろうとして、体が無意識に起こす自己防衛本能という働きが備わっています。(心理学では、自我防衛機能と呼ばれています。)

どういう時にこの防衛本能が働くかいうと、心理的に自分が生きていること自体を脅かされたと感じた時に働きやすくなります。

先ほど書いた「生きていてはいけないのではないか?」という自己否定感が強まることが、まさにそれに当たります。

具体的にどんなふうに働きやすくなるのかというと、

ぽ の

心理的に追い詰められてツラい思いをするかもしれない!!!

=自分が生きていること自体を脅かされたと感じている)

そんな場面・状況・人などに遭遇すると、不安感や恐怖心といった感情を出して『自分の身に危険が迫って危ないかもしれない!逃げて!』というサインを出すのです。

【人から嫌われるのが怖い】と感じるのは、自己防衛本能からの「逃げて!」のサイン

これまでお伝えしたことを簡単にまとめると以下のような流れになります。

①【人から嫌われるのが怖い】と感じる

      ↓

自分が傷つくような心理的にツラい状況に追いやられるかもしれないと感じる
(自尊心を傷つけられる/居場所を奪われる/存在否定をされる)

      ↓

③自分は生きていてはいけないのではないか?という自己否定感が作られ、心理的にいつも生きていることを脅かされているような感覚になる

      ↓

④自己防衛本能が働きやすくなり、不安感や恐怖心といった感情を出して『自分の身に危険が迫って危ないかもしれない!逃げて!』というサインを出す

      ↓

⑤ ①の「【人から嫌われるのが怖い】と感じる」に戻る。

『心理的に追い詰められてツラい思いをするかもしれない!=自分は危険な状態かもしれない!(生きること自体を脅かされていると感じる)』と感じられる場面・状況・人などに遭遇すると自己防衛本能が働き、①〜④のサイクルが瞬時に起きて、それが繰り返されます。

そして、

「自分が危険な状態(命を脅かされる)ではない」と感じ取れるまでは、自己防衛本能は不安や恐怖心など感情を出して「逃げて!」というサインを送り続けてきます。

なので、【人から嫌われるのが怖い】と感じてしまうのは、実はこの自己防衛本能からの「逃げて!」というサインが送られてきているということなのです。

自己防衛本能のサインと現実との食い違い

【人から嫌われるのが怖い】と感じるのは、自己防衛本能からの「危険だから、逃げて!」のサインだということをお伝えしました。

なんですが、、

実はこの自己防衛本能、一度学習して覚えこんでしまったことは自動的にアップデートされないため、実は目の前の現実との食い違いがわりと起こります

例えば私自身の事例でいくと、いじめのトラウマから女子の集団・性格のキツそうなタイプの女性が苦手で怖く、【人に嫌われるのが怖い】と感じながらいつもヒヤヒヤしながら仕事をしていました。

【人に嫌われるのが怖い】とヒヤヒヤ感じるのは、自己防衛本能からの「危険、逃げて!」のサインです。

しかし実際のところ、自己防衛本能がサインを送ってくるような「危険で、逃げなきゃいけないようなこと」はまったく起きず、私自身の職場での人間関係はむしろ平和なものでした。

自己防衛本能がサインを送ってきたからといって、過去に起きたツラいことや傷つくような体験が、今現在やこらからの未来にも全く同じように起きるとは絶対的には言えないのです。

まとめ

woman doing hand heart sign
Photo by Hassan OUAJBIR on Pexels.com

【人に嫌われるのが怖い】というのは、突き詰めていくと、心理的に辛い状況に追い込まれる(=生きることを脅かされている)と感じた自己防衛本能からの『逃げて!』とあなた自身を危険な状況から救うためのサインだということをお伝えしてきました。

少し繰り返しになってしまいますが、そのサインが送ってこられたからと言って、必ずしも危険な状況が本当に起きるわけではありません

そのこと頭の中に置きつつ、【人に嫌われるのが怖い】と感じたら『自己防衛本能が危険な状況から自分を逃すためにサインを送ってきてるんだな』と思い直してみると、嫌われる不安感や怖さを少しずつ客観的に見れるような心持ちになってきますよ。

このコラムが、あなたの【人に嫌われる怖さ】を少しでも減らして、目の前の現実を楽しめるようになるお役に立てば嬉しいです。

ABOUT ME
ぽの
セルフイメージ改善アドバイザー 1980年・大阪府生まれ。神奈川県三浦市在住。 自身も元”超絶気にしい”で、人目を気にして自信がなく劣等感とコンプレックスの塊であった。そんな人生と自分自身から脱却するため試行錯誤し、ようやく人目を気にしない堂々と自分らしく生きれる人生と自分自身を手に入れる。 現在は、自身の経験を活かし「人にどう思われるか」気にしがちな”気にしいさん”専門カウンセラーとして活動している。